ある日TVを見ていた母が「テレビで漫画家さん募集してるで!」と私を呼びました。
毎回色々なアルバイトを募集してその様子をオンエアするという企画の深夜番組でした。
その時のアルバイトの内容は「結婚予定のカップルの出会いからゴールインまでを漫画にして
結婚式の引き出物にするので漫画を描ける人募集!」といった内容でした。
プロ・アマ問わず。
(ちなみに私はその時すでにプロの漫画家としてデビューしていたのですが)
母「応募してみたら?」
私「え〜〜恥ずかしいやん」
母「なんでも色んなことやってみたらええやん。」
私「そうやなあ・・応募してみようかな(笑)」
なんとなく母に背中をおされ番組に応募、
そして数日後、わたしは書類審査をパスしてオーディション会場にいました。
会場にいたのは男女とりまぜて約30人。
画材持参・・どんな事するんやろ〜〜〜!!
・・・と思っていたら・・・
結婚予定の2人の出会いを漫画にする、という事で一応似顔絵がかけなければいけないので
その番組の司会者(渡辺徹ともう1人の女の人)の写真を各自手渡され、
時間内に似顔絵を描かされたのです。
しかも!そのオーディション自体もオンエアされるのでカメラが順番にまわってきます。
カメラが自分にまわってきたとたん・・手ぇふるえるっちゅうねん!
ガクガクブルブル・・・
結果・・・私ともう1人の女の人(プロのアシスタントの経験がある人Sさん)2人が採用に。
おめでとう!パチパチパチ・・・
では、がんばってカップルの出会いの漫画を描いて下さいね!!
という事で1回目の放送は終わり。
漫画をかくのは次週につづく・・・でした。
しかし・・・もう1人のアシ経験者Sさんと私以外の応募者はみなさん素人さん。
正直、落ちたらショック受けるとこでしたわ!!
ショックといえば私いちおうその時すでにプロの漫画家だったのに
「漫画家をめざす女の子」というニュアンスの設定にされてしまったのですよ。
たしかに番組的にはそのほうがおもしろい訳で・・でも
@「プロの漫画家としてテレビで紹介」→「昔の級友がたまたま見る」→
「え〜〜!あの子プロになってたんや!」→ちょっといい気分。
A「プロをめざす女の子」→「昔の級友がたまたま見る」→
「ぷっ・・あの子まだそんな事してるんや。もうええ年やのに・・」→密かに笑いもの
違う・・この2つは大きく違う〜〜〜!!!
私、中学生の頃から漫画家をめざしてたし、
まわりの友達もそのことは知ってたけど
大人になって本当にプロデビューしちゃったことを知ってる人はごくごくわずか。
実際その番組がオンエアされた後「見たよ〜〜」っていう人が何人もいて
「まだ漫画かいてたんや・・」
「早くデビューできるといいね・・プッ(少々誇張あり・笑)という扱いをうけた日にゃあ・・・
わたしのプライドはかなりぐっさりと傷つきましたよ・・ええ。
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