<漫画家さんのアシスタント生活・その7>

漫画家さんの〆切(ドラマ仕立て)


〆切前の漫画家さんって本当に大変な訳ですよ。

だったら早くから余裕持ってやればいいんだけどそれが
できれば苦労しない。

それまでかなりのんびりやってたりするんだけど
〆切前はお風呂に入るヒマもなく交代で2時間位ソファーで仮眠。

やばいよね・・

〆切のびへんかな・・

延びたら延びたで休憩したりしてのんびりしちゃうので
また追い込まれる(笑)

ギリギリにできた原稿は大阪の空港から航空貨物で発送して
羽田空港まで編集さんが受けとり。
(それが一番はやく送れる)

マンションから空港までは数日の徹夜続きのため
自分で運転せずタクシーを利用。


やばい!飛行機の時間に間に合わない!でもまだ原稿ができていない!!
とりあえず原稿用紙と画材をもって空港へいくのよっっ!!

受付手続きさえすませば少し時間があるからそこで
作業の続きができるわっ!!

じゃあ私、先に下におりてタクシーとめておきます!!

アシスタントたちは先に階下へ。

あ!タクシー!!ストップストップ!!
「すいません!空港まで!もうひとり来るのでちょっと待って下さい。」

髪はボサボサの三つ編み。ヨレヨレの服を来た女の子たちが数名
すがるようにタクシーにかけよる。

タクシーの運転手は何事かと怪訝なビクついたような表情をしている。

「あ、来た!」いっせいに振り向くと
そこへひときわボロボロの髪とヨレヨレの服を着て画材の入った
大きなカバンをかかえた怪しげな女(←先生・笑)がひとり
マンションからヨロヨロと走り出てきた。

「早く早く!」
手招きする私たちの後ろで
・・・バタン!!

タクシーのドアが閉まり私たちから逃げるように
タクシーは走り去ってしまった。

じょ・・
乗車拒否!????

一同ボーゼン・・・

いや、これマジの話なんです(笑)
そんなに私たち、怪しかったんでしょうか・・・

結局その後また別のタクシーをつかまえて
「すいません、空港まで!」

運転手はルームミラーごしに私たちをチラチラみながら
「旅行ですか?」

あほか〜〜!!!!
誰がこんなボロボロのかっこで旅行いくねん!!!
どんなビンボー旅行やねん!!

そして何とか航空貨物の手続きを終えるなりフロアに
画材を広げ一心不乱にトーンをはったりホワイトで仕上げを
したり・・

回りの人が何事かと覗き込む中、ついにタイムアウト!
原稿は係りの人に手渡されて東京へと旅立って行くのでした。

〆切の数日前に突然「今から東京行くで!」って
画材と着替えをカバンにつめ込み、そのまま東京で
数日間カンズメになった事もあったっけ。

今みたいにパソコンやデータ送信が
普及していなかったもんなあ・・・

あ、ちなみにこの話は
ノンフィクションです(笑)



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