|
渋谷区立西原小学校
平成20年1月8日 1月号
年頭所感
校 長 市 川 直 道
子どもたちの言葉が疲弊し、やせ衰えていくとき、将来の社会が豊かに展開することは期待できません。社会そのものの衰退につながる杞憂を禁じ得ません。
言葉は時代とともに変遷し、少しずつ形を変えていますが、日本人が忘れかけている美しい日本語を今一度振り返ってみる必要があります。嘘のない言葉、思いやりの言葉、美しいひびきを持った言葉、こうした言葉の教育が、子どもたちの間に健全な関係を築いていくことを信じます。言葉の教育は、人間性の陶冶に深く関わるものと信じるからです。
昨年11月に報告された中央教育審議会の教育課程部会の審議のまとめによると、教育内容の改善事項の中の一つに「言語活動の充実」があげられ、言語は、知的活動やコミュニケーション、感性、情緒の基盤であると述べられています。まもなく告示される新しい学習指導要領では、言葉の役割に応じた能力の育成だけではなく、感性、情緒を育むことに踏み込んだ内容が明示されることになりそうです。
本校では、子どもたちが物事を説明する言葉の力(能力)の育成に力を注いで参りました。しかし、研究の途中から、説明することはできても、感じたことや感想を述べる力が十分に育っていないことに気がつきました。そこで、この2年間は、「説明力」とともに「感想力」に焦点を当て、研究を進めて参りました。子どもたちの話し言葉や書き言葉で、何を指導すべきか、どの姿を見取るべきかおぼろげながらではありますが、見えてきたように思います。しかし、研究を進めていくと、話型や語彙の指導を中心にしたマニュアル主義に陥りやすくなります。子どもたちの言葉を育てるためには、授業の中で、教師が「そうそう」(共感)「なるほど」(納得)「そうか。すごいね」(驚き)などの言葉をもっと多く使う必要があります。子どものわかり方には違いや段階があるのですから、鋭い評価力とともに子どもに寄り添う姿勢が一層求められます。そして、このことはご家庭において保護者の皆様の子供への語りかけにも同様に求められているように思います。
どうぞ、1月25日(金)には、研究発表会の様子をご理解いただき、本校教職員が取り組んだ子どもたちへの足跡をごらんいただきたくお願い申し上げます。
|