校 長 市 川 直 道
本校が取り組む子ども達に言葉の力を付ける研究の取り組みは、六年目を迎えます。テーマは「豊かな心で人とかかわり合う子どもの育成」と題して、平成20年1月に研究発表会を行います。また、新しい学習指導要領がまもなく発表されるものと思われますが、その柱の一つに、「言葉の重視と体験の充実」が掲げられていると伝わって参ります。
子ども達が時々の感情を処理できず、「うざい」「きもい」などの言葉ですますなど、言葉の貧困が指摘されています。いじめによる自殺や不登校などの問題を考えると、もっと子どもに自分の感情を表す感情語彙を豊かに身につけさせ、自分を表現させる力をつけなければならないという反省から言葉の教育が重視されてきているのだろうと思います。体験を重視した教育活動の充実を図り、体験したことを言葉に置き換えて語彙を豊かに実感として受け止めることが大切です。また、言葉は、体験に裏打ちされて豊かな意味を持つものになるのだと考えます。
本校の研究テーマにある「豊かな心」とは何か考えてみる必要があります。それは、自然への驚きの体験が、感受性や感覚を育てると言われています。自然体験を通して自然の美しさに感動する心は豊かな心の一つといえましょう。社会の中で人とかかわる体験を通して、思いやりの心を持つことも落とせません。人間関係の希薄化が進む現代社会の中で、最も必要とされる心なのかもしれません。そして、第三には、様々な体験を通して自分への気づき、自信や自立の心を育てることではないでしょうか。豊かさを規定することは大変難しいのですが、こうした美的感覚や感性、思いやりの心、自立の心が少なくとも豊かな心を支える要素と考えられます。そしてそれらは皆、体験の充実と直結しているように思います。