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藤の花
藤の花

 マドリード王宮から北に歩いて、マドリード観光の名所スペイン広場に向かいました。ゆっくり歩いても10分ほどの距離です。スペイン広場のすぐ手前にサンビセンテ通りという広い大通りがあります。その陸橋に、左の写真のように藤の花が盛大に咲いているのを見つけました。
マドリードは、緯度は東京よりずっと高く盛岡と同じあたりということですが、そのマドリードにも春が訪れたようです。
スペイン広場に着いて中に入ると、広場の奥に巨大なセルバンテスのモニュメントが立っているのが見えました。

スペイン広場
スペイン広場

 その足元には、セルバンテスの著書 『ドン・キホーテ』 の登場人物田舎貴族ドン・キホーテと従者サンチョ・パンザの銅像が置かれてありました。

あたりには、私どものような観光客やスペインの修学旅行と思われる子供たちなどがたくさんいます。

広場はさほど広くなく、セルバンテスのモニュメントのすぐ後ろにスペインビルという高層ビルが壁のようにそそり立っています。
このビルの中には、ホテルなどが入っているそうです。

セルバンテス
セルバンテスの像

 セルバンテスは1547年に生まれ、1616年に没しているので、ほぼ大劇作家シェークスピアと同じ時代の人です。
日本では、天下分け目の関が原の合戦の前後にあたり、松尾芭蕉の時代より50年ほど前になります。
私どもの知っているセルバンテスの著書というと、晩年の1605年に書かれた 『ドン・キホーテ』 だけですが、スペインではこのモニュメントが示すようにまさに国民的作家となっています。今年は 『ドン・キホーテ』 前編が書かれてから400年にあたるので、またなにかと話題になっているようです。

ドン・キホーテ
ドン・キホーテ

 実は、私は小説 『ドン・キホーテ』 をきちんと読んだことがありません。何度か読み始めましたが、正直な話、この小説は読みやすいものではありません。読んでいるうちに、くどい言い回しなどに嫌気が差して途中で投げ出してしまうのです。

聖書についで多くの国で翻訳して読まれている小説だとか、過去の文学作品の人気投票一位とかいう話をよく聞きますが、やはり文学作品としての芸術性のほかに現代にまで通ずる普遍的な人間性を描いたのが評価されているのでしょう。

 ちなみにシェークスピアの名作 『ハムレット』 は、この小説と同じ年に書かれています。芸術性という点でどちらがより優れているかは、議論するまでもありません。

しかし、スペイン語を知らない私にはこういうことをいう資格はないのでしょうが、この小説も翻訳を工夫することでより面白く読ませてもらえるのではないでしょうか。母国デンマークやドイツでは二流小説とされている 『即興詩人』 を、あれほどの華麗な文体で翻訳した森鴎外の例もあることですから。

ドン・キホーテの銅像
ドン・キホーテの銅像

 ラ・マンチャの小村の領主ドン・キホーテは、中世騎士物語を読みふけったあまり現実と物語との区別がつかなくなりました。意を決して先祖伝来の破れ甲冑を着け、ロシナンテというやせ馬に乗って旅に出ます。

自分の屋敷の雑用をしていたサンチョ・パンザという農夫には、「お前を島の王にしてやろう」と言い含めてこの旅に従わせます。長い槍を持って遠くに見える巨人(実は風車)を指し示しているのでしょうか、馬上のやせたドン・キホーテと、ロバに乗った肥ったサンチョ・パンザのコンビがユーモラスです(^_^)。

村娘
村娘アルドンサ

 小説 『ドン・キホーテ』 のなかには、アルドンサという村娘が登場します。中世騎士物語にとりつかれたドン・キホーテは、この村娘が「想い姫ドルシネーヤ」に違いないと思い込みます。

上記ドン・キホーテの銅像の後方には、大きなざるを手にした村娘の彫像がありました。

ざるの中には小さな実のようなものがたくさんありますが、これらはスペインを象徴する作物であるオリーブの実でしょうか。この広場の中にも、オリーブの樹がたくさん植えられていました。

広場の噴水
広場の噴水

 上記セルバンテスのモニュメントの裏には、大きな噴水がありました。
内陸性気候で夏には40度ぐらいにもなるマドリードでは、噴水は単なる飾りではなく、石畳の道を行き交う人々ののどを潤すために必要欠くべからざるものだったのでしょう。

広場の出口で振りかえると、たけの高いポプラのような樹木が春の新芽をふいてうす緑色に広場全体を覆っていました。

これらの木々も、やがてくる厳しい夏には心地よい緑陰を広場に集まる人々に提供するのでしょう。

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