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アカデミア美術館へ

 サンマルコ美術館を出て、出口の反対側にあるサンマルコ広場に向かいます。
広場に面してフィレンツェ美術大学があり、その隣にアカデミア美術館があります。美術大学を創成したのはメディチ家の初代コジモ1世で、自ら美術大学の初代総裁に就任したとのことです。
その美術大学が、所有する大傑作ミケランジェロの《ダビデ像》を収めるために建てたのが、この美術館の始まりだそうです。今日ではこの美術館は 《ダビデ像》 をはじめとするミケランジェロの彫刻があるので知られています。

ミモザ
ミモザの花

  《ダビデ像》 は世界一有名な彫刻なので、ここには世界中から美術ファン、観光客が押し寄せます。

アカデミア美術館に向かう途中、美術大学の構内でしょうか鉄柵の中にミモザの黄色い花が鮮やかに咲いていました。
東京を出るときは、ミモザがまだあまり咲いていなかったので、東京よりフィレンツェのほうが少し暖かいのではないかと思います。ローマはフィレンツェよりさらに暖かいのではと感じました。日本の「豊後」に似た梅がちょうど満開で、ピンクの花をミモザの横に広げていました。


ダビデ像
《ダビデ像》

 この美術館には、時には入場者の長い列ができるそうですが、私どもは幸い待たずに入場できました。入場してから人の流れについて行くと、まもなく遠くに巨大な大理石の彫像が見えてきました。

そのダビデ像の近くに行くと、その手前に4体の 《奴隷像》 があるのに気がつきました。 《目覚めた奴隷》 などこれらの彫像もミケランジェロの作品ですが、未完成のままに終わりました。

さてダビデ像ですが、そばに寄って見るとともかく大きいので驚きます。高さが4メートル以上もあるのだそうです。
他の彫刻家が皆持て余していた巨大な大理石の塊に、ミケランジェロが直接鑿を入れてこの像を制作したといわれます。ミケランジェロという人は大変な腕力、制作力の持ち主で、普通の彫刻家の2倍のスピードで鑿をふるったそうです。

 ローマのシスティナ礼拝堂の天井画も同じですが、この芸術家のスケールが大きいのにはただ驚くのみです。入場者は皆顔を上に向けたままダビデ像のまわりに立ちつくし、感嘆の表情を浮かべます。

この美術館では館内の写真撮影は禁止されています。といって、このページにこれら名作の写真がまったくないのでは話になりません。そこでやむを得ず、美術館の出口で販売していた絵葉書の画面をスキャナーで読み取って小さい画面サイズで掲載しました。なにとぞご了承ください。
上の写真をクリックすると、大きなサイズで見ることができます。この画像は、 CGFA のご好意により使用させていただいています。

パレストリーナのピエタ
《パレストリーナのピエタ》

 この美術館には、同じくミケランジェロの 《パレストリーナのピエタ》 という作品があります。「ピエタ」とは、聖母子像のうち死せるキリストを抱く哀しみの聖母を描いた絵画や彫刻をいいます。
ミケランジェロは一生の間に4体のピエタを制作したとのことですが、この 《パレストリーナのピエタ》 は最晩年の80歳でとりかかったもので未完におわりました。パレストリーナとは、ローマの近くの地名だそうです。

上記ダビデ像はミケランジェロが26歳のときの作品ですが、それと比べるとこの最晩年の作品では制作力の衰えは否めません。ダビデ像が輝くような精気に満ちているのに対し、こちらは全体としてバランスが悪く人物の表情もどこかうつろです。

未完成で細部が仕上げてないせいでもありますが、、ダビデ像のように見るものをいっぺんに引き込む力には欠けています。
しかし、このどこかもどかしい作品が制作後500年近く人を牽きつけてきたのはなぜでしょうか。私どもは、マリアのあいまいなままに残された放心したような表情に、息子を喪った普通の母親のショックの大きさを読み取ります。マリアがこのように必死になってよろけながら息子の死骸を運んでいるピエタというのは、私は他に知りません。

上の写真も絵葉書から転写したものです。写真をクリックすると、大きなサイズで見ることができます。この画像は Web Gallary of Art のご好意により使用させていただいています。

サンピエトロのピエタ
サンピエトロのピエタ

 今回この美術館でも、ミケランジェロの傑作の数々を見ることができました。石彫の有難さで、私どもはミケランジェロが制作したそのままの作品を鑑賞できます。

しかし、ここで傑作 《ダビデ像》 を見たのちも、私の敬慕の対象は変りませんでした。それはローマ・サンピエトロ寺院内にあるミケランジェロの 《ピエタ》 です。

この 《ピエタ》 はミケランジェロが25歳のときの作品といいますから、 《ダビデ像》 よりさらに若いときの制作です。

若者らしい瑞々しさ、率直な表現、そして人物の表情、姿の優しさが、見る人を永遠に牽きつけます。これだけの奥行きのある作品を25歳の若さで制作したミケランジェロの才能には、ただ感嘆するほかありません。
上の写真をクリックすると、大きなサイズで見ることができます。この画像は、 CGFA のご好意により使用させていただいています。

独立広場
独立広場

 ルネッサンスの名作の数々を収めた美術館をめぐって、心地よく疲れました。
夕食まではまだかなり時間があるので、ゆっくりと町並みを見物しながらホテルの方向を目指します。ときどき道がわからなくなって、土地の人に尋ねながら歩きます。

ここは、大きな広場に二つ巨大な門があり、それらを写真のように見通すことができました。ホテルに帰ってから調べると、「独立広場」という広場だったらしいとわかりました。

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